【空地問題】所有者が管理を行っていない、もしくは使われていない空き地が引き起こす社会的・地域的な問題のことを指します。これは空き家問題と密接に関連しており、特に都市部や郊外で深刻化しています。
空き家対策と消防行政が連携する事による、地域の防災力向上や安全確保に大きな効果が生まれると思います。
主な空地問題の内容
防災・防犯リスク
- 雑草の繁茂による火災リスク(放火の温床)
- 不法投棄、犯罪の隠れ場所
- 通行人への危険(倒木・倒壊など)
景観の悪化
- ごみや雑草で周囲の景観に悪影響
- 近隣不動産価値の下落
衛生問題
害虫・害獣の繁殖(蚊、ネズミ、ハチなど)
近隣住民とのトラブル
- 苦情・通報対応の手間(自治体・警察・消防)
- 所有者不明・連絡不能問題
まちづくりへの障害
- 再開発や防災計画の妨げ
- 土地が「死んだ資産」として放置される
行政や地域が取り組むべきポイント
- 空地台帳の整備(空き家台帳と連動)
- 所有者への指導・助言・勧告
- 管理不全空地への行政代執行(条例制定など)
- 民間による利活用促進(暫定利用、地域農園、防災空間等)
連携の必要性
空き家は以下のようなリスクを持っています:
- 火災の発生源(放火、電気設備の劣化など)
- 延焼リスクの増大
- 緊急時の立ち入り困難
- 地域治安の悪化
消防機関との連携の具体策
空き家の実態調査の共有
- 自治体の空き家台帳と消防署の火災リスク評価情報を連携
- ドローンや定期巡回でのデータ収集
リスク分類による優先対応
- 放火リスクや老朽化度合いによって「危険空き家ランク」を設定
- 消防による重点巡回や指導
防火指導・防災訓練への活用
- 近隣住民への放火防止啓発
- 空き家を使った防火訓練(倒壊・侵入シミュレーション等)
除却・利活用の促進
- 高リスク空き家の除却に向け、消防から自治体への危険通知
- 消防法に基づいた是正命令と建築基準法の連携活用
民間連携による巡回・保守
- 消防OBによる見回り支援
- 空き家管理サービス会社との情報共有(開放状態、電気使用状況など)
【事例紹介】
- 東京都足立区では、消防署と区が連携し、空き家リストの共有と防火指導を実施。
- 岡山県倉敷市では、消防団が空き家マップを活用して防災パトロールを行う仕組みを導入。
自治体への提案
提案目的
- 防火対策の強化
- 空き家の適正管理促進
- 消防・都市計画・地域安全部門の横連携強化
主な提案内容
- 空き家台帳と消防データベースの統合・連携
- 消防署と都市整備課の合同パトロール制度
- 空き家を使った防災訓練(地域住民参加型)
- 消防法に基づく危険通知と建築基準法の連携活用
想定成果
- 放火・火災リスクの低減
- 住民の防災意識向上
- 空き家除却や利活用の判断基準の明確化
民間事業化(消防OB・建築系企業向け)
ビジネスモデル案
- 「空き家リスク診断サービス」:消防知識を活かした診断・助言
- 「見守り巡回サービス」:消防OBによる定期巡回+報告書提出
- 「空き家防災改修工事」:防火・防犯を兼ねた簡易リフォーム
- 「空き家データベース提供サービス」:自治体と連携したプラットフォーム構築
ターゲット
- 空き家所有者(相続放置含む)
- 自治体との業務委託契約
- 保険会社との提携(リスク低減による保険料優遇)
地域活動への応用(消防団・町内会など)
活動モデル
- 消防団と町会による「空き家見守り隊」
- 空き家マップを使った地域の火災危険区域把握
- 地域防災訓練に空き家を活用(倒壊・出火シミュレーション)
- 放火防止キャンペーン(空き家周辺の清掃、広報活動)
メリット
- 地域の絆づくり
- 住民参加型の防災意識向上
- 消防団や地域NPOの活動資源として活用可能
必要資料・支援ツール
- 提案書テンプレート(自治体向け・事業提案向け)
- 危険空き家判定チェックリスト(消防版)
- 空き家マップと防火リスク分類サンプル
- ビジネスモデル簡易事業計画書
【提案書の作成ポイント】
自治体向け提案書(ドラフト)
「空き家対策における消防連携強化提案書」など
背景と課題認識
- 空き家増加の現状
- 火災・放火などのリスク
目的:
- 火災予防・防災力向上
- 空き家利活用の推進
提案内容:
- 情報連携(台帳、リスクマップ)
- 合同巡回・立入調査
- 空き家を使った防災訓練など
期待効果と成果指標
- 火災件数の抑制
- 危険空き家の除却数
連携体制・スケジュール案
おわりに/実証事業の提案など
民間事業プランの詳細化
サービス名
「空き家防災サポート by 元消防官」など
主要サービス
① 空き家リスク診断(点検報告書)
② 巡回管理(月1回〜)
③ 防火・防犯改修工事(提携工務店)
④ 火災保険会社とのリスク評価連携
営業ターゲット
相続放置空き家所有者、自治体からの委託
価格帯モデル、収支シミュレーション
地域活動マニュアルの設計
活動の仕組み
「空き家見守り隊」の組織図と役割
活動内容例
① 見回りチェックリスト
② 火災・放火の兆候確認
③ 通報・報告のルート
使用ツール
空き家マップ、スマホ報告アプリ等
活動頻度と記録管理法
消防・行政との連携の方法
少子高齢化や都市部への人口流出により、全国の空き家は年々増加傾向にあり、その管理不全が地域防災や住民の安全に深刻な影響を及ぼしています。特に、放置された空き家は火災・放火・倒壊などのリスクを孕み、消防行政にとっても重大な課題です。
こうした状況を踏まえ、空き家対策に消防行政との連携を組み込むことは、地域の防災力を高めるうえで極めて重要です。空き家に関する台帳や地域からの通報情報を消防と共有することで、火災リスクの高い建物を事前に把握し、重点的な巡回・指導・訓練に活かすことができます。
また、消防OBや地域住民と連携した「空き家巡回支援」や「防災訓練の場としての空き家活用」など、実効性のある施策も展開可能です。これにより、行政・消防・地域が三位一体となって空き家問題の予防・早期対応体制を構築することが期待されます。
消防職員の皆様!民間企業に勤務する際
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