介護施設でBCP策定が義務化

BCP
全ての障害福祉サービス等事業者様を対象に、BCP策定や研修の実施、訓練の実施等が義務化

障害福祉サービス等事業者様

全ての障害福祉サービス等事業者様を対象に、BCP(業務継続計画)策定や研修の実施、訓練の実施等が義務化となりました。障害福祉サービス等事業者様は下記一覧をご参照

【入所・入居系】
👉施設入所支援、療養介護、共同生活援助、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設
【通 所 系 】
👉生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援 A 型、就労継続支援 B 型、就労定着支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス
【訪 問 系 】
👉居宅介護、重度訪問介護、行動援護、同行援護、重度障害者等包括支援、保育所等訪問支援、居宅訪問型児童発達支援
【相 談 系 】
👉地域相談支援、計画相談支援、障害児相談支援

出典:厚生労働省 業務継続ガイドラインを元に作成

義務化は2024年(令和6年)4月1日より

2021年4月に施行され、3年間の猶予期間を設けて、2024年度から義務化されます。

職員や利用者、家族などの
命と健康を守り生活を支える上で重要です

義務化となる背景(令和3年度介護報酬改定の概要)

感染症流行や大規模自然災害が多発する中、
団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年、現役世代が大幅に減少する2040年も見据え下記、5項目を図る。

感染症や災害への対応力強化
・地域包括ケアシステムの推進
・自立支援・重度化防止の取組の推進
・介護人材の確保・介護現場の革新
・制度の安定性・持続可能性の確保を図る。

出典:厚生労働省 令和3年度介護報酬改定の主な事項についてを元に作成

高齢者人口が最大となる2040年問題
現役世代1.5人に対して、1人の高齢世代を支えるかたちになる

感染症や災害への対応力強化

感染症の蔓延に対応

  • 新型コロナウィルス等の感染症は強い感染力により、高齢者の重症化リスクが非常に高い
  • 障害福祉サービス等事業者施設において、新型コロナウィルス等が発生した場合に、入所利用者、職員そして職員の家族を守るため、適切な集団感染拡大(クラスター化)防止対策と介護サービス提供の継続を確保

大規模自然災害

  • 災害大国の日本、大規模地震、豪雨による河川の氾濫など自然災害により各地で被害が出た
  • 大規模自然災害により、社会インフラがストップすると、介護施設で使用されている、人工呼吸器やセンサーマット、エアコン他、 介護サービスに必要な機器類が使用不能になってしまう

業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入を検討

厚生労働省 老健局が令和5年11月27日付け、ホームページにて業務継続に向けた取組の強化等(改定の方向性)資料を開示。

感染症若しくは自然災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合に基本報酬を減算する検討に入った。

業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入

原則、減算の対象
(1)令和8年度末までの間に限り、
感染症指針(感染症の予防及びまん延防止のため の指針の整備)
及び
非常災害対策計画(非常災害に関する具体的計画の策定)
を行っている場合には減算を適用しない     ※参考資料 厚生労働省 老健局

訪問系サービス及び居宅介護支援事業所
(2)令和3年度報酬改定において感染症の予防及びまん 延防止のための指針の整備が義務付けられて間もないこと及び非常災害対策計画の策定が求められていないことを 踏まえ、令和8年度末までの期間については、減算の対象としない
             ※参考資料 厚生労働省 老健局

感染症指針及び非常災害対策計画を策定

令和8年度末までの間に限り、感染症指針及び非常災害対策計画を策定していれば、減算を適用しない、とは。

BCP(業務継続計画)

感染症や自然災害の発生後の早期復旧や事業継続について計画を立てる事

感染症指針や非常災害対策計画

感染症や災害の発災前後の対策を計画する事

お気軽に消防職員OBの田中行政書士事務所へご相談下さい

介護施設におけるBCP(業務継続計画)とは

感染症や自然災害、テロ、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化などの予期せぬ緊急事態が発生した時に、介護サービスを実施する従業員から、入居者が安定的・継続的にサービスの提供を受ける事が重要で、介護サービス事業を適切に継続・運営する為に、介護施設が保有する業務資産の損害を最小限に留め、業務の継続、早期復旧を可能にし、平常時に行うべきサービス活動や業務を継続する為の方法を事前に決めておく行動計画のことです。

経過時間に伴うBCP導入時の効果

発災後は焦らず戸惑わず、如何に有効な行動を実施すれば業務を継続し、または如何
すれば早期回復が可能であるかを予見しておく必要があります。
障害福祉サービス等事業者様のサービスは要配慮者を日頃ケアをする事です。発災時介護サービススタッフの存続は大変重要です。
BCPを導入していない場合、発生後、介護サービススタッフが混乱し、介護サービスの継続が困難となる可能性もあります、また、業務の縮小により従業員の解雇などの影響を受ける可能性も考えられます。
業務継続・早期回復を担うのは、介護サービススタッフです、
介護者と介護サービススタッフの安否確認が重要と考えます。

災害や感染症の流行が起こる前の備えが重要となります。

災害を想定する

1、感染症(クラスター・パンデミック)
2、自然災害
3、大規模地震
4、域火
5、サプライチェーン(供給網)の途絶

重要業務を絞り込む

重要業務を絞り込み、復旧するまでに要する時間を設定しましょう。

  • 災害によりインフラが不能状態になった時に復旧するまでの目処時間
  • お取引先さまとの関係からサービス継続再開に要する時間
  • 財務状況を把握し、サービス維持可能な時間
  • 他施設・地域との連携に要する時間

BCP策定運用 項目の基礎編

  • 事前対策のため投資計画を作成
  • 避難経路シートを作成
  • 主要な組織の連絡先をリスト化
  • 従業員の連絡先リストを作成
  • 電話、携帯電話やe-mail、各位連絡シートを作成【自社用】
  • 主要な顧客情報を整理
  • 中核事業に係るボトルネック(目標設定した復旧時間内での復旧や調達が困難とおもえる)資源を確認【設備/機械/車両など】
  • 中核事業に必要な供給品目情報をリスト化
  • 主要供給者や業者情報をリスト化【供給品目別】
  • 災害対応資材等のチェックリスト

BCP策定にあたり

BCP策定マニュアルが
厚生労働省や各自治体で公開されています

現在進行中の感染症、既に準備為れている事と存じます、この感染症進行中のさなか、自然災害が発生すると、サービスの継続が困難となります。
水害対策やインフラ断絶他、発災後の約1週間、せめて3日(72時間)を乗り越えられる様に、非常食や非常水、非常用トイレ(介護おむつ)、エタノールや次亜塩素酸ナトリウム他衛生用品他、防災非常用持ち出し袋他、非常用電源や蓄電池蓄光テープでブラックアウトに備える他防災資機材、事前の備えをお願い致します。


BCPにおけるPDCAサイクル

PDCA
Plan:策定したBCPを基に訓練計画を立てる
Do:訓練を実施
Check:訓練結果から問題点を検証
Action:BCPマニュアルを見直し改訂する


BCP策定は難しく考えず、先ずは一度策定したBCPをマニュアル化(書類化)し、訓練をし、参加した皆様と“気付き”を話し合いより良いBCPマニュアルを仕上げるで良いと思います。

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